ヲワリとハジマリのものがたり
- 2017年8月24日
- 読了時間: 2分
ふとしたことから、それはまわりはじめた。
まわりはじめると、音楽が生まれた。
音楽が生まれると、それを唄う者があらわれた。 彼らには美しい声があった。

美しい声が響くと、やがていのちが生まれた。 いのちは形を作り、ともに踊った。
踊るうちに輪が生まれた。
いくつもの輪が重なり、やがて地面ができた。 彼らは美しい声で唄い、踊り、まわりながら輪をつくった。 すると、輪の中心から一つの形をつくり、高く突き上げた。 高く高く、空ができた。
そして空に向かう、天への道ができた。

美しい声と、踊る輪の中心から、天に向かって道を登るものが現れた。 彼らには目がなかった。
だから行き着く先は見えなかった。 ただ高く高く、登るだけ。 そして、終わりが来た。 終わりが手をさしのべて、踊る輪の中心をぐいと引き上げた。
それと同時に、「何か」が「中」に入るのがわかった。 「何か」は問いかけた。なぜ、集まるのだ?
なぜ、一緒にいるのだ?なぜ、一緒に「いられる」のだ?
彼らには目がなかった。
だが、美しい声をもっていた。 声がこたえた。
それは「アイ」だと。
「アイ」とは、集まり、唄い、踊り、一緒に天に登ることだと。
終わりは驚いて、そして思った。
「アイ」を知りたいと。
それならいいと、彼らは終わりを受け入れた。 終わりはぶるぶると彼らの中でふるえた。
彼らと、「ひとつになった!」それが「アイ」だと、終わりは知った。

そして、激しく何かがほとばしった。
それは涙だった。

涙が瞳を開き、彼らは目をもった。 開かれた目は光をとらえ、そして、互いの姿を見た。
これはなんだ?みな「カタチ」が違うではないか。
開かれた目は、彼らにその「考え」を伝えた。 「考え」は彼らの「心」をとりまいた。
彼らは「カタチ」が「同じ」者を美しいと思った。 そして、「カタチ」が異なる者を「別のもの」と考えた。 そして、彼らは「別のもの」を殺し始めた。

終わりは思った。
なんということをしてしまったのだと。
「アイ」が一瞬にして、消えてしまうなんて。 なんとしてでも、「アイ」を取り戻さなくては、と。
それがまわりはじめた最初から。
いや、その前から、音楽があった。
そしてそれを唄う者がいた。
だからそれはまわりはじめた。
ふとしたことから。

これが世界の始まり。
終わりの始まり。 天の和(ナ)の輪(ワ)の星の始まり。 始まりの物語。 エフェメラルの物語。 私たちは、今、この始まりの物語を思い出す時にいます。

































コメント